顧客と銀行口座
ログインユーザーが顧客となり、KYCを経て口座と台帳勘定を持つまでを追います。
銀行ビジネスと主要商品を、利用者・銀行・会計の視点から理解する。
先に学ぶ内容 — Prerequisite: 基礎学ぶこと — LEARNING GOALS
このページで学ぶこと
- Auth UserとCustomerの違い
- 口座開設の前提条件
- Bank AccountとLedger Accountの1対1関係
体験03 · ACCOUNTS(口座とデータモデル)
口座番号と、会計の勘定を見比べよう
まずは予想をひと言。本文を読んだ後、実際の画面と管理者側の記録を見比べます。
- 01まず予想する — PREDICT
まずここだけ:思ったことをひと言書く
新しく口座を開いたら、画面に出る残高の数字はどこから来ると思いますか?
正解でなくて大丈夫です。「〜だと思う」から始めてみましょう。
ヒント1を見る
ログインする人と、銀行と契約する顧客は、同じ1つの記録でしょうか?
ヒント2を見る
画面の残高は、どの記録をもとに計算されているでしょう?
もっと詳しく:この問いで使う専門用語
- Auth User(ログインする本人)は、認証だけを担当する記録です。
- Customer(顧客)は、銀行と契約する本人確認済みの利用者です。
- Bank Account(銀行口座)は、顧客が持つ普通預金の契約です。
- Ledger Account(台帳勘定)は、会計上の増減を記録する内部の勘定です。
日常語で理解する — PLAIN LANGUAGE
まず、ここだけつかむ
ログインできる人、銀行と契約する顧客、お金を置く銀行口座、会計に記録する台帳口座は、それぞれ別の役割です。
Minibankでは認証ユーザーと顧客を結び、本人確認が完了した顧客だけが銀行口座を持てる流れを作っています。
cached_balanceは素早い表示のための控えであり、壊れたときは台帳から検証・再構築できることが重要です。
順番に理解する — DIFFICULT PARTS, STEP BY STEP
難しいポイントを、順番にほどく
専門用語を覚えることより、「なぜ必要か」「このシステムのどこで使うか」を理解することが目標です。
Auth UserとCustomer
Auth Userはログイン主体、Customerは銀行業務上の顧客です。
ログイン方法の情報と、KYCや顧客状態を切り離すと責任と権限を整理できます。
customers.idをauth.usersのIDと対応させ、RLSではauth.uid()を起点に本人の行を判定します。
Bank AccountとLedger Account
前者は顧客に見せる口座、後者は複式記帳に使う内部の勘定口座です。
商品・契約の状態と、会計の増減ルールは別の関心事だからです。
bank_accountsとledger.accountsを対応付け、取引時には両方の整合を確認します。
外部キーと一意制約
存在しない相手を参照しない、同じ関係を重複させないためのDBの規則です。
アプリの確認をすり抜けても、孤立データや二重口座をDBで止められます。
顧客との関連や顧客1人1口座などをDB制約で表します。
残高cache
毎回全履歴を合計せず、すぐ表示できるよう保存した現在値です。
高速ですが、台帳と同時に更新しなければ食い違います。
cached_balanceを台帳更新と同じtransactionで変更し、照合対象にします。
発展 — ADVANCEDもっと詳しく確認する最初の学習では読まなくても問題ありません。仕組みをもっと深く理解したい場合に開いてください。
作成の順序
- 01Supabase Auth User
- 02Customer profile
- 03KYC: verified
- 04Bank Account
- 05Customer Deposit Liability ledger account
DBが守る関係
- customers.auth_user_idはuniqueで、Auth User 1人につき顧客1件
- bank_accounts.customer_idはunique制約が追加され、MVPでは顧客1人1口座
- ledger_accounts.bank_account_idはuniqueで、口座1件に顧客預金勘定1件
- auth.usersの削除はON DELETE RESTRICTで履歴の連鎖削除を防止
- 口座番号は7桁文字列として生成され、先頭ゼロを保持
実際のMinibankでは
`create_bank_account()` は `auth.uid()` から顧客を解決し、KYCが `verified` であることを確認します。口座と `Customer Deposit Liability` 勘定は同じ関数・同じtransactionで作られるため、後半が失敗すれば口座作成もrollbackされます。
1 customer → 1 bank_account → 1 liability ledger_account体験学習の続き · LEARNING LOOP
ここまで読めましたか?続けて確認してみましょう
口座の作られ方を読んだところで、実際の画面と管理者側の記録を見比べ、自分の言葉で説明してみます。
- 02実際に操作する — OPERATE
同じ仕組みを、動く画面から観察する
まず顧客画面を開いて観察し、この教材へ戻ります。リンクは新しいタブで開きます。ログインが必要です。
アカウントがない場合は新規登録が必要です。本人確認・口座開設には管理者承認が必要です。承認前や操作できない場合も、この教材内の図・説明・Source Trail(教材の参照元)で代替学習し、次へ進めます。
ログイン・新規登録の入口を開く ↗操作できない場合:教材の参照元で確認する ↓利用者の画面 · MINIBANK顧客ダッシュボード ↗ログインした後、自分の名前と口座の入口が表示されるか見てみましょう。
利用者の画面 · MINIBANK口座情報 ↗口座番号と残高がどのように表示されるか観察します。
もっと詳しく:管理者の画面で観察する
管理者ログインが必要です。権限がない場合は、次の「証拠を確認する」の教材による確認で進められます。
- 03証拠を確認する — EVIDENCE
何を見たか、1つずつ確かめる
Evidence(判断の根拠となる記録)を確認したらチェックします。各項目の「何を見るか」を手がかりにしてください。
画面を開けない項目は、Source Trail(教材の参照元)と教材の説明で確認できます。失敗を実際に起こす必要はありません。
- 04コードの処理経路を追う — CODE TRAIL
コードを書く必要はありません
ここでは「説明されている仕組みが、実際のMini Bankのどこに実装されているか」を確認します。まずは日本語の役割説明を読み、入力した依頼がどこへ渡るかをつかみましょう。コードの全文を読む必要はありません。
基本の順序は、画面 → API Route(依頼を受ける窓口)→ TransferService(処理をつなぐサービス)→ DB / RPC(記録の保存場所と、その処理の呼び出し)です。まず最初の2つを見て、続くサービスは「もっと詳しく」で確認します。
教材の参照元を確認する — Source Trail ↓口座開設RPCを呼び出すサービス。顧客と口座をどう結びつけるかを探します。
src/services/AccountService.tsMigration(DB定義の変更履歴)。口座と会計上の勘定を同時に作る定義を確認します。
supabase/migrations/20260819155226_extend_create_bank_account_with_ledger_account.sql - 05自分の言葉で説明する — EXPLAIN
LEVEL 1 — やさしい説明(まずここだけ)
なぜ口座(Bank Account)と、会計の勘定(Ledger Account)を別々に作るのでしょうか? 短い2文を目安に説明してください。
日常語だけで完了できます。専門用語の数や正誤を自動採点するものではありません。
ヒント1を見る
「口座」と「会計の勘定」という2つの言葉を使って書いてみましょう。
ヒント2を見る
もし片方だけを作って、もう片方を作らなかったら何が困るか考えてみましょう。
もっと詳しく:LEVEL 2 — 専門用語を使った説明(任意)
Auth User、Customer、Bank Account、Ledger Accountの4つの役割を結び付けて説明してみましょう。
挑戦する場合は、上の説明欄に追記できます。追加しなくても完了できます。
説明の確認ポイント — Checkpoint- 口座と会計上の勘定が別の記録であると説明できる
- 画面の残高が再計算可能な値であると説明できる
理解を確かめる — CHECK YOUR UNDERSTANDING
3問で理解チェック
答えを頭の中で考えてから、各項目を開いて確認してください。
Q1ログインユーザーと銀行口座を直接同じ表にしない理由は?
認証、顧客契約、口座、会計で責務とライフサイクルが異なるためです。
Q2cached_balanceだけを正式な記録にしない理由は?
現在値だけでは増減の根拠がなく、破損時に検証・再計算できないからです。
Q3KYC未完了の利用者は口座を作れるべきですか?
Minibankの設計上は作れません。口座作成時にもDB側でKYC状態を確認する必要があります。
完全に暗記する必要はありません。大切な考え方を説明できそうなら押してください。
教材の参照元 — SOURCE TRAIL
根拠と関連教材
CURRENT IMPLEMENTATIONは確認したrepository内の実装です。HISTORICAL IMPLEMENTATIONは導入・修正の履歴で、後続migrationによる再定義があり得ます。RELATED LESSONは教材への案内で、実装の一次Sourceではありません。ASSUMPTIONは仮定、UNKNOWNは未確認を表します。
確認基点: d02eae8914f39cbf06bfe422dc39c71886f82b3e / 2026-09-11。稼働環境への適用確認: UNKNOWN。パス実在の自動検査と、記述した技術的事実の確認は別です。
- 現在の実装 — CURRENT IMPLEMENTATION
src/services/CustomerService.tscreateCustomer()顧客プロフィール作成 - 現在の実装 — CURRENT IMPLEMENTATION
src/services/AccountService.tscreateAccount()口座開設RPCの呼び出し - 過去の実装 — HISTORICAL IMPLEMENTATION
supabase/migrations/20260819155226_extend_create_bank_account_with_ledger_account.sqlcreate_bank_account()口座と台帳勘定の原子的作成 - 現在の実装 — CURRENT IMPLEMENTATION
scripts/regression/suites/account.mjs口座開設のDB回帰テスト