学習・技術検証用デモ — 本システムは実際の銀行サービスではありません。

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INTERMEDIATE · 中級COURSE 09 · BANKING ENGINEERING

銀行エンジニアリング 21:預金が20%流出すると、銀行に何が起きるか

Deposit → Liquidity → Funding → Funding Cost → Accounting → Profitability。架空の教科書銀行を使い、MiniBankのシナリオ計算と同じ数字で因果関係を1段ずつ追います。

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BANKING ENGINEERING · 銀行エンジニアリング

v8以降に実装した台帳・記帳エンジンなどを実際に動かし、正常時と異常時の両方から銀行システムの構造を学ぶ。

Prerequisite: BANKING SYSTEM

LEARNING GOALS

このページで学ぶこと

  • 預金流出が流動性と調達に与える影響
  • 調達コストが利益(NII)を下げる仕組み
  • シナリオが示す仕訳(会計への影響)

PLAIN LANGUAGE

まず、ここだけつかむ

1

預金が流出すると流動資産が減り、方針の水準を下回った分を借りる必要が出ます。

2

借入の利息と預け金の減少で、資金利益(NII)が下がります。

3

流出が大きいと流動資産がマイナスになり、そもそも払い戻しができなくなります。

DIFFICULT PARTS, STEP BY STEP

難しいポイントを、順番にほどく

専門用語を覚えることより、「なぜ必要か」「このシステムのどこで使うか」を理解することが目標です。

01

Deposit Outflow

やさしく言うと

預金が引き出されて出ていくことです。

なぜ必要?

流動性リスクの主な原因だからです。

Minibankでは

deposit_outflow_pct(0〜100%)。

02

Funding Need

やさしく言うと

方針の流動性を保つために必要な借入額です。

なぜ必要?

足りない流動性を補うためです。

Minibankでは

必要な流動性 − 流出後の流動資産(0未満は0)。

03

Funding Cost

やさしく言うと

借入に払う利息です。

なぜ必要?

流動性の確保が利益を削るためです。

Minibankでは

必要調達額 × 借入金利(基準金利+スプレッド)。

例題:架空の教科書銀行

項目金額補足
普通預金1,000万円金利0.02%
定期預金200万円金利0.10%(満期まで固定)
流動資産(中央銀行預け金)250万円基準金利0.25%が付く
コールローン(長期の運用)700万円金利0.30%、30日以内には戻らない
方針残存預金の20%以上の流動性を保つtreasury.policy

1段ずつ追う(BASEシナリオ・預金流出20%)

利益が減る理由は2つあります。預け金が減って受取利息が減ること、そして新しい借入の利息を払うことです。預金の利息が減る効果(800万円分に減る)はありますが、それより小さいのです。

  1. 01預金流出:1,000万円 × 20% = 200万円(普通預金は800万円に)
  2. 02流動性:250万円 → 50万円(流動性比率 5.0%)
  3. 03必要な流動性:(800万+200万) × 20% = 200万円 → 不足150万円を調達
  4. 04調達コスト:150万円 × 0.35%(基準金利0.25%+スプレッド0.10%)= 年5,250円
  5. 05資金利益(NII):年23,250円 → 17,150円(−6,100円)

会計への影響(このシナリオが意味する仕訳)

BSでは預金(負債)が借入(負債)に置き換わり、PLでは資金調達費用が増えます。シナリオ計算自体は記帳しません。実際に調達するときは、画面の「コールマネーで調達」で記帳します。

出来事借方貸方金額
預金流出2100 普通預金1100 中央銀行預け金200万円
不足資金の調達(TREASURY_BORROW)1100 中央銀行預け金2400 コールマネー150万円
借入利息・1年分(TREASURY_FUNDING_INTEREST)5200 資金調達費用1100 中央銀行預け金5,250円

異常時:流出が大きすぎると支払えない

流出率流動資産の残り必要調達額調達コスト(年)NIIの変化(年)
0%250万円0円0円0円
20%50万円150万円5,250円−6,100円
40%−150万円(資金ショート)310万円10,850円−12,300円

金利が上がっていたら(RATE_UP_100シナリオ)

同じ20%流出でも、基準金利が1.25%の環境では借入金利が1.35%になり、調達コストは年20,250円に増えます(BASEの約4倍)。流動性の問題と金利の問題は同時に起こり得ます。

Level 3 システム:MiniBankでの実装

  • treasury.run_scenario() が上の順で計算し、入力(市場シナリオ・方針・ポジション)と結果を treasury.scenario_runs に追記専用で保存する
  • What-if入力を使うと、DBの内容に関係なく同じ数字が再現できる(この例題はDBテストで固定されている)
  • 「基準比」は、同じ市場シナリオで流出0・追加の金利変化0の場合との差

どこを確認すればよいか

  • 管理画面「Treasury・ALM」→ 教科書の架空銀行で試す
  • 結果の「会計への影響」

CHECK YOUR UNDERSTANDING

3問で理解チェック

答えを頭の中で考えてから、各項目を開いて確認してください。

Q1例題で20%流出したときの必要調達額は?
答え

150万円です。

Q2そのときの年間の調達コストは?
答え

5,250円(0.35%)です。

Q340%流出で流動資産がマイナスになるとは?
答え

手元の資金だけでは払い戻しができない(資金ショート)という意味です。

ここまで読めましたか?

完全に暗記する必要はありません。大切な考え方を説明できそうなら押してください。

SOURCE TRAIL

根拠と関連教材

CURRENT IMPLEMENTATIONは確認したrepository内の実装です。HISTORICAL IMPLEMENTATIONは導入・修正の履歴で、後続migrationによる再定義があり得ます。RELATED LESSONは教材への案内で、実装の一次Sourceではありません。ASSUMPTIONは仮定、UNKNOWNは未確認を表します。

確認基点: d02eae8914f39cbf06bfe422dc39c71886f82b3e / 2026-09-11。稼働環境への適用確認: UNKNOWN。パス実在の自動検査と、記述した技術的事実の確認は別です。

Implementation Status: IMPLEMENTED IN MINIBANK(この教材が扱うコードの範囲)

  • RELATED LESSON/docs/be-maturity-gap満期と資金ギャップ
  • RELATED LESSON/docs/be-financial-statementsBS・PL
  • CURRENT IMPLEMENTATIONsupabase/migrations/20260924150000_v13_treasury_alm.sqltreasury.run_scenario預金流出・金利ショックのシナリオ計算
  • CURRENT IMPLEMENTATIONsrc/domain/platform/treasury.tsscenarioChain()シナリオの因果関係の表示順
  • CURRENT IMPLEMENTATIONscripts/banking/v13-treasury.test.mjs20%流出の例題、単調性、金利上昇、資金取引のBS/PL反映のDBテスト